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「言葉にするのは苦手なんだよ、書くと、特に、残るだろ。」 静かな畳と文机の上には音も無く。破ってはいけない沈黙のみが広がっていた。 だけどたぷりと墨を含んだ筆がすらすら真黒い軌跡を残していく様を見ると、面白すぎて黙っておれなかった。 ましてやその書の行く末を知ってしまったからには。 随分と使い込んでいるらしい毛筆は無名の作だという。弘法は筆を選ばずか、MZDは「ほ~」っと心底感心して息を吐いた。 「これで金になんのかぁ…。」 「…………。」 書道家は呆れて溜息をつく。新しい半紙を広げると、黒々とした塊を手に取った。 墨の硯に擦られる、迷いの無い音。うっとりと目を閉じて音の司は歌うように溢した。 「いい音♪」 ちょいと入用でね、ツケを回収しに来たのサ、何とか工面しておくれ。アンタら二人、もう随分溜まってるだろう? 一緒にいた二人に同時に同じ用を告げた彼女の声が、聞こえる。 「ろく、これ、俺にも出来るかな。」 随分と長い沈黙の後、書道家はくつくつと苦笑を堪えきれず、仕舞いにはははははと声をあげて噴き出した。 ************************************ 珍しく神六ムラ。 六は才能の人だと思う今日この頃。仕事すれば儲かるのにそれをしないで日々剣と音の探求に勤しむ。はちクロの森田先輩みたいな? 神様、力使わないと実は一番の甲斐性無し;いや、たまたま手持ちが無いだけで…(男の言い訳は見苦しい/笑)。 女が困ってる時にいの一番に手を貸してやれるという換えがたい優越感。 05.12.02. Textに戻る |