雲の平原。
 白い闇はどこまでも続いていた。
 不自由な所に暮らしているなどとは思わないが、朝日が住みかを照らす直前のこの時間は、淋しいものだといつも思う。
 吸血鬼は眠る時間だし、天使が起きるにはまだ早い。蝶々も桜の花びらも飛んで来ない。

「………。」
 寝転んだ雲の上、静かに静かに、感情を解き放つこの一瞬。あまり激しくしたのでは、朝っぱらから落雷なんて、迷惑だろう。
 雲にしみこむのは、時に涙だったり、笑いだったりする。目を閉じて、開ける頃には東の空が僅かに明るくなっている。黒から紺、紺から青へ、刻 一刻と変わるあまりに美しいグラデーション。全ての色が白に収束される暫しの間、空を眺めていた。

 空に飽きると雲の切れ間を探して下界を垣間見る。
「お………。」

木の下に置かれた傘。まだ薄暗い地上の、今日の天気は曇りだろう。そんな中で、侍が刀をふるっていた。
 へぇ、朝っぱらから鍛錬とはご苦労なこった。
 いつもならば名前を連呼しつつ雲で下っていくのだが、静かで張り詰めた空気の邪魔はしたくなかった。ニコリと笑って、高見の見物を決め込んだ。

 …つもりだったのだが。
何気なく欠伸をしたら、不運なことに、小さな雷が刀に当たってしまった。

「こりゃぁ、いかん…」
パンチパーマの出来上がってしまったヒップロッカー侍を、結局迎えにいくことになった。





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六の扱いが難しい今日この頃。
雷六で六ムラで神と六は好敵手。KKにとっては助っ人。
基本的には無銭飲食とか迷子とか追い剥ぎに遭って(?)全裸とか(どんなイメージよそれ…)。
雷六の組み合わせは、2人とも悟っちゃってるので電波な会話が難しい。

ところで雷舞が好きです。

041020


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