始まりは何だったのか。今でもはっきりとは判らない。

アイツは俺のことが好きなんだと。
俺はただ、のらりくらりと相手してただけなんだが。












「KKさぁん!!」

大通りを走って来るキャラメルオレンジの頭。
ブンブンと、まぁ手まで振っちまってみんなの公道で迷惑だろっての、犬かアイツは。
そういやポップンパーティでも犬に曲貰ってたっけアレぁ仲間だったのか。

軽い身のこなしで人を避けつつ近付くアイツが、俺に体当たりをかますまであと2m…1m…。

スカずるベチャッ!!

「ぎゃっ!!」
………うん。
いやまあ、普通ここは避けるだろ。俺は悪くはない。

ニヒヒと笑うと、コンクリートの地面にディープキスをかましたマコトが飛び起きた。
「っ何てことすんのさ!!避けるなんて!!うぇ〜鼻がつぶれた〜」
あーお前、鼻上向いてるしな。
「いや普通避けるダロ!!毎回あんな勢いで飛び付かれちゃかなわんっつーの。」
「だって向こうからKKさんが見えたら、嬉しくて抱きつきたくなっちゃったんですもん。」
「や、アレはボディブローだった…」
さらりと凄いことを言われた気がしたが受け流しておく。

軽口を叩きつつ俺らは今日はマコトが最近見つけたというカフェへ行く。
前回は俺行きつけのラーメン屋。
その前がマコトの家で弟&宇宙人とのご対面。
更に前はツーリングだったか。
この、マコト曰くデートの回数も、もう判らなくなる程。すっげえ頻繁に会ってる気がする。
やれやれ…。この位ウザイ付き合いだとそろそろ億劫になってくる頃なんだがな。

それどころか益々頻繁に会いたくなるってのはどーいうこった。





マコトは確かに美人だ。美人は好きだ。当たり前だがな。
つーか可愛いんだよなこいつ。
でも俺ぁ生憎女の子が好きなんですよねぇ。
「大丈夫ですよ乙女心なら持ち合わせてますから」って…イヤイヤイヤ。

はぁ〜あ、とわざとらしくため息をつくと、キョトンとした顔でマコトが聞く。
「最近元気ないですよね。何かあった?」



始まりは何だったのか、今でもよく判らない。こいつは俺が好きなんだと。



困るんだよねこういうのは。
何がってそれがまんざら嫌じゃねぇからハッハッハ…。

「うわ何、いきなり笑い出さないでよKKさん。」








始まりは何だったのか、今でもよく判らない。



ただ、始まっちまったってことだけははっきりしていた。








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初めて書いたKマコ…KKさんが…淡々と語ってらっしゃる…!!
なんだろう…2人ともキャラがよく掴めないので何と中途半端な…。

KKさんは好きなもの平穏な日常だし、マコトは美容師だし、
この2人はそのへんが日常大好きの私にヒットしたのねきっと。とか思った一作。
平和な日常の中にあるちょっとした事件とかがいいんです。
狼男とか吸血とか満月とか……ああアスユリも一応日常が確立してはいるのか…。

04.03.22




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