はぁ…っと神様が息を吐く。白い気体は空へのまれていく。 辺りはすっかり暗くなってしまった。 Kにはあまり2人きりで会わないようにとか言われたけれど、仕方ないじゃないか。 悔しかったら早く仕事を終わらせろっての。 「寒い寒い寒い!!!」 唐突に神様が口を開く。 「さっみーよオイ冗談じゃねーっての。」 鼻の頭と、帽子からはみ出た耳が真っ赤だ。 「見ろよこれ、もー真っ赤。DJの指なめんなってんだよ。」 長い袖の奥に引っ込んでいた手まで赤い。神様もしかして末端冷え性? 「冬は指先冷えるから作業開始が遅れるよなー…。あー寒っこれ以上はマジで無理だって!!うおおおおお!!!」 寒さのせいでハイテンションになってる神様は、白い息を吐き散らしていた。 俺は既に省エネモードに入ってしまっていて、さっきから神様ばかりがしゃべっている。 「マコト手ぇ見してみー。」 無言で、感覚のなくなりそうな手を差し出す。 「お前の手もつめてぇなー…あっためてもらおうと思ったのに。カリスマ美容師の手までこんなにしやがって…。」 「…MZD。」 「ん?」 「寒い、ね」 「おぅ。」 ※ 「つーかお前神だろMZD!!自分で何とかしろよ!!マコトも!!そこに喫茶店とかあるだろホラお前ぇの好きな美味そうなカプチーノも!!何だってこんな寒いとこで、」 「Kーぇ。」 「待たせてスンマセンでした。…………けっ。」 「うわ「けっ」とか言いやがったコイツ、職人の手を二組も凍えさせといてっ!!」 ツナギ姿のまま現れたKKは、それでも急いで来たらしくやっぱり鼻と、耳はいつものヘッドホンで隠れていたけどほっぺたが真っ赤で。俺は思わず手を差し出す。 ごめんねちょっと意地悪だったかな。だってあんまりにも寒いから。 吐く息が白い。 「マコト。…おいクソ神も。」 「ん?」 差し出した左手は中途半端な形で握られて、KKは空いたもう片方の手で神様を手招きする。 俺の左手とKの右手、Kの左手と神様の右手。 繋いで、何だかちょっと儀式みたいに。 「あのさ、でもさ、」 「あのよ、でもよ、」 「「KKの手のが冷たいじゃん。」」 「そういやKも職人だよね。職人の手。」 「そーだな。大事しとけ。」 「……………(言われなくても大事にするし、てゆーか何なんだよこいつらマジうぜえ特にMZDぜってーいつか葬り去ってやる畜生大体こんな寒ぃからいけねーんだ云々)。」 寒くたって負けません、この指には必要が詰まってますから。 寒くたって負けません、この手には愛情がこもってますから。 ****************** 手つなぎで神Kマコを表す(笑)。 裏日記にupしてたやつを。以下解説↓ 神は皆と仲良しで、ぶっちゃけ総攻めで、浮気性というか、気が多いというか、沢山の人を愛しちゃう人で。 マコトが可愛いからちょっかい出すけど、それに嫉妬して怒るKKもいいな♪みたいな。 マコトをいじるともれなくKが付いてくる。そんな状態が大好きな神。 ポイントはKKが強く出られないところと、マコトには全然その気がないところと、神には本命の妻がいるということ!! 三角関係でもない。何だろうこれは…。 Kマコにちょっかいを出す神…みたいな。 |