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クリーム色のソファの背から、こげ茶の後頭部が見えたから呼んでみたのに返事が無い。
最近の僕の好敵手は、先日スギが仕事用に買った馬鹿でかいヘッドホン。
空色のそれは、くつろぎモードの時までポータブルMDに繋がれるくらい、スギのお気に入り。
何でも装着してると周りの音が一切聞こえなくなってそれはそれは快適…らしい。
「このレオ様が呼んでるというのに…。」
ヘッドホンを没収すべく、わざわざソファの前に回ってみる。
クリーム色のソファ、
こげ茶頭に空色のヘッドホン、
ライトグリーンのラインの入ったシャツと、
レモンイエローのファイルに、クリームオレンジのノート。
色がてんでばらばらだよスギ。でもそれでもスギらしい色合い。
「おやおや…。」
…よだれ垂らして転寝するくらい気持ちが良い音楽。僕の曲じゃ無かったらどうしてくれよう。
ああでも、眠ってしまうくらい退屈な曲ってこともありえるか。
…一人の世界に浸かったまま、置いてけぼりなんて。無礼者。
ヘッドホンに手をかけて、悪あがきみたいにシャカシャカと音をたてるPMDの電源を切る。
これでも目覚めないスギを放って、レコードプレイヤー下のカップボードの透明な扉を開けた。
改造した柔らかい色のカップボードには、よく聴くやつが入っている。
大急ぎでプレイヤーにセットして針を落とす。
「…これでどうだい。」
スギの横にどかっと腰を下ろしてフンと鼻を鳴らす。こうしておけば安心なのだ。
さあ、音楽を聴こう?
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2時間後、どちらかが寝相の悪さにソファから転げ落ちるまで。
050202
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