「早く…終われ…っ!」
「自分の人生が?」
「…、いや二人共いきなりそういう始め方しねえで下さいって先週言ったッスよね…。」
「永いからねぇ、ユーリの人生はァ。」
「違う!私が早く終わって欲しいと言ったのは、」
「無視ッスか。」
「と、ゆー訳で周波数はそのままで!Deuilのドラムス、アッシュがお送りする“Werewolf night“!間もなく始まるヨ〜♪」
「こ、今夜も2週連続の夏休み企画ということで、っえー、ボーカルのユーリさんと、ベースのスマイルをお迎えして、素敵な夜の1時間を、お送りするッスー。」

〜CM・時報・タイトル〜1分25秒

「ちょ、二人共、ホント真面目にやってくださ、」
「ちょっとーアッシュ君、今のナニ〜?」
「え?」
「何がユーリ「さん」だ、馬鹿者。しかもどもってるし。」
「あ、いや、何かつい…。」
「タイトルコールくらいちゃんとやれ。」
「ユーリがいきなり喋りだすからいけないんっしょ!?やめて下さいホント、俺アドリブ苦手なんスから! てか、スマも勝手にタイトルコールするなんて、ひでぇッス!!」
「仕方なかろう、マイクが私を呼んでいるのだから!フハハハハハ」
「いくら放送してないからって高笑いせんで下さい…もー…マジで帰りたくなってきた…始まってもいないのに…。」
「アッシュ君は普通に僕らと会話する調子でいいんじゃないのぉ?原稿なんてあって無きが如し。 リラックスリラックス。キャラ壊しすぎて後で収集つかなくなるのはユーリかもねぇ?ヒッヒッ…」
「フ…私がそんなミスをするとでも?それに、どうせアッシュの番組だ、多少打ち解けてる風でもいいだろう。」
「そうダヨネー。僕らゲストな訳だしー、何が起こってもパーソナリティのアッシュ君が何とかしてくれるヨネー。…あ、もうCM終わるみたい。」
「嫌な言葉残さないでくれッス…。」
「注文の多い奴だな。」
「ホントにネェ。お菓子食べちゃ駄目とか水飲む時音たてるなとか、」

〜ジングル〜

「毎日暑ぃ暑ぃって思ってたけど、今日は雨も降って何だか涼しかったッスねぇ。 もう夏もお仕舞いへ向かってるってことッスね。学生の皆、宿題終わったッスか? 31日にまとめてやると辛いッスよぉ?えー、改めましてこんばんは。火曜の夜11時、FMメルヘンがお送りする“Werewolf night”、 Deuilドラムスのアッシュッス! …さて今週も、先週に引き続き夏休み最後のお楽しみということで、ほとんど番組ジャックなんじゃねえかって噂のゲストが来てくれてます! Deuilのメンバーをお迎えしてるッスー。ハイ、」
「コンバンハーDeuilのベース、スマイルだよーヒッヒッヒ。」
「今晩は、今宵も先週に引き続きお邪魔させて頂いているぞ。暫し騒がしい夜にお付き合い願おう。Deuilのリーダー、ボーカルのユーリだ。」

「ヒッヒ、で?ユーリは何が早く終わって欲しいんだって?」
「夏だ。」
「さっき冒頭で言ってたやつッスね。ユーリは夏、早く終わって欲しいんスか?」
「ああ、暑いしな。日の光が強いし……暑いしな。」
「暑いって二回言ってる……よっぽど嫌いなんスね、夏。今年もほとんど夕方まで寝てたり、城の中に閉じこもりっぱなしだったスもんねぇ。」
「城に閉じこもっていたのは貴様もだろうが。」
「まあ、そうッスけど。アルバムの曲作りに励んでました。っと、その話は後半でもするとして…、俺は結構、夏好きッスよ?」
「だろうネェ〜、アッシュ君には夏がよく似合ってるヨ〜。」
「ありがとうッス。よく言われるッス。」
「こんな季節の何がそんなに良いのか判らんが……毎年イキイキしているな。こちらとしては暑苦しくてかなわん。 暑くて湿気も多くて日差しも強くて何もする気が起きないではないか。」
「んなことねッス!夏といえば野菜が美味いし、色んな物が活気に満ち溢れててパワー貰える気がするんスよ。 大体ユーリは夏でも長い間寝てるから、体の中の水分が足りなくなって、ますます暑く感じちゃうんスよ? 暑い日こそ涼しい午前中のうちに起きてちゃんと食べて、体調を整えなきゃ駄目ッス!旬の野菜にはその季節に必要な栄養がばっちり入ってるんですから。」
「む……。」

「今年は水不足で野菜高かったけどネェ〜。」
「そうなんスよねえ。あ、ちょうどいいメールが届いてるッス。東京都のラジオネーム『イエローコウモリ』さんから。 『アッシュさん、こんばんは。』こんばんはッスー。『先週お料理コーナーで紹介された夏野菜のカレーライスを早速作ってみました。 両親や妹に夕飯として作ってあげたら、とても喜ばれ大好評でした。アッシュさんありがとう! でも、野菜の価格沸騰のお陰でちょっと予算オーバーしちゃいました…野菜って結構高いんですね。 アッシュさんもいつもお料理作る時、栄養のことも値段のことも考えて作っているんですか?』って、すまねえッスー! 先週紹介した時は正直値段のことまで考えてませんでした。ごめんね……。でも作ってくれたんスねーありがとうー!」
「ヒッヒッヒ、美味しくできてよかったネェ。作ったなら僕も呼んでくれればよかったのにぃ。」
「人様の食卓に突然お邪魔してカレー食うつもりなんですかアンタ…。」
「いいじゃない、突撃隣の晩御飯!ラジオを聴いてる君の家に、今夜カレーを頂きに伺います、ご用心〜v ……ヒッヒッヒ、いつもはお金のこと気にしてるよネェ、アッシュ君?」
「いつもはもちろん考えてるッスよ。限られた予算内でおいしいもん作れるのがプロッスからね!」
「城のリビングテーブルでスーパーの安売りチラシ眺めてることもあるな。」
「そッスね。大体安売りの食材でメニュー決めたりするんスよ。 あと、秘密手段としては、大手のスーパーとかじゃなくて、小さい商店や八百屋の、お店の人と仲良くなって旬の野菜を値引きしてもらうって方法もあるッスよ! 小さいお店なら野菜も一個ずつ安く買えるから一人暮らしの人なんかにお勧めッス。」
「そこまで仲良くなるのはなかなか難しくないか?」
「んなことねッスよ?基本は週に1回は店に寄ることと、品物について色々質問するといいッス! お店の人は皆俺たちお客さんより詳しいんスから、興味もって聞けば向こうも色々親身になって教えてくれるッス。 意外な調理法とか下ごしらえの簡単なやり方とか。そうやって仲良くなるといいッス。」
「なるほどな…。」

「ネエネエ、もう一通読んでいい?んーと、これはラジオネーム『パンプキンガイ』30歳会社員の人から〜。アリガトネェ〜。 『Deuilの皆さんはじめまして今晩和!2週連続のメンバー出演、嬉しいです。 突然ですが、アッシュさんは子供の頃スイカの種飛ばしして遊んだことはありますか? 先日、5歳になる息子と夏の風物詩、スイカを食べ、その時実に数十年ぶりに種飛ばしをして遊びました。 あれってよく考えるとすごく行儀悪いですよね。 でも手も顔もスイカの汁まみれになりながら、たまには童心に返って遊ぶのも悪くないと思いましたよ。』だってサ〜。そいや僕今年スイカ食べてナイよ〜。」
「あー、そういや食べてないッスねぇ。俺も子供の頃は毎年食べてたけど……。あれ今年食べる機会無かったッスねぇ。」
「あれは食べるのが難しい。」
「そーなんスよねー。綺麗に食べるの結構難しくて、ユーリなんて最終的にスプーンとか使って食べたッスよねぇ。」
「貴様が適当に切るからだろう。もう少し小さく切れば食べやすいものを……。」
「かぶりつくのがいいんスよ、アレは。 確かに手も汚れるし床に汁とかこぼれるんでアレですけど…それはそれで、このパンプキンガイさんみたいにたまには楽しいもんスよね。 種飛ばしは子供の頃一度やったら親に行儀悪いって叱られて以来やってない気が……スマはどうスか?」
「ヒッヒッ…やったことは…ナイねぇ…。ユーリは、」
「……私がそんな品の無いことをするとでも?」
「聞くだけ無駄っしたね。や、一応俺たちヴィジュアル系ですから。 ってことでパンプキンガイさんありがとうッスー。 “Werewolf night”では今夜も皆さんからのFAX、メール、おハガキをお待ちしてます。 コーナーへの参加はもちろん、番組の感想でもいいし、学校のこと、恋の悩み、最近感じたちょっと面白いことなど、 普通のお便りもじゃんじゃん送ってくれッス。あ、それと先週に引き続きメンバーへの質問も受付中ッス!すべての宛先は、」
「あー、待って待って僕言いたいのソレ!FAXの受付番号は○○○−○○○−○○○○、 e-mailはwolf@marchen.co.jp、wolfの綴りはダブリュー、オー、エル、エフ、アットマーク、エム、エー、アール、シー、エイチ、イー、エヌでmarchen.co.jpだよー。 お間違えのないようにネ♪…ひっひっひ、一回言ってみたかったんだよねぇ。」
「す、凄いッス!初めてなのに一度もつっかからずに……。」
「ちなみに各コーナーへのお便りは件名にコーナータイトルを忘れないように。 「お料理コーナー」ではリクエスト及びオリジナルレシピを募集中。 社会派アッシュ先生の「何か変だ!」のコーナーでは貴方が感じたり目撃した非常識な人の非常識な行動への鬱憤を書いて送ってくれたまえ。 採用された方には漏れなく番組特製オリジナルグッズと、これは先週と今週だけの特別だが、メンバーのサイン入り色紙をプレゼントする。」
「ユーリまで…それ俺の台詞…。」
「一週分も聴けば覚えるだろう普通は。宛先を言い間違え、送信エラー大量発生でリスナーに大迷惑をかけるパーソナリティなぞ、貴様だけだ。」
「うっ、そんな誰もが忘れかけてくれてたはずの初回の大失敗を今更…!」
「フン、」
「アレは言うの結構難しいんスよっ!宛先は絶対つっかかったりどもったりしちゃ駄目ってディレクターさんに脅されて、緊張してたんス。一回目だったし。」
「当たり前だ。一番間違えてはいけない大事なところだろうが。宛先をもう一度言うぞ、」
「ちょ、ユーリ!」
「FAXの場合は○○○−○○○−○○○○、e-mailアドレスはwolf@marchen.co.jp、 ダブリュ、オー、エル、エフ、アットマーク、エム、エー、アール、シー、エイチ、イー、エヌ。 wolf@marchen.co.jpまで、今宵も皆からのメッセージ、待っているぞ。」
「早っ!二人共いつの間に覚えたんスか…。」
「ヒッヒッヒ!じゃんじゃん送ってねー!!」

〜CM40秒〜

「…、は、20秒前から宛先言い出すとか…。」
「ちょっと早口過ぎたかねぇ。」
「私の滑舌なら夕飯前だ。」
「どーせ俺は未だに宛先言う時つっかかるようなヘタレパーソナリティですよ…。」
「判っているじゃないか。」
「くっ……早口言葉なら、大分練習したッス。」
「アッシュ君、今日は分が悪いと思うヨ。」
「精進しろ、犬め。」
「次のジングル、遠吠えの奴がイイナ〜♪ヨロシク〜!」
「何でアレの存在をスマが知ってるんスか!」
「え、だって僕初回からぜぇんぶ聴いてるよ?むしろ前身の時から、」
「ええええええ、初耳ッス!嘘!?」
「一回も欠かさずな。」
「ユ、ユーリも!?」
「…私は気が向いた時だけだ。」
「そッスよね…。」
「ええ〜ナイのぉ〜?」
「…あんまスタッフを困らせないで下さい。スンマセン。あんな大昔のジングル、残ってねぇッスよねぇ。」
(スタッフを振り返る)
(スタッフ無言で×サイン)
「久しぶりに聴きたかったのにぃ。」
「CM終わるぞ。」

〜幻のジングルが流れる〜

「やった〜ぁ!!ヒッヒッヒッヒッヒ!!!」
「〜〜〜〜〜っ!!!?」
「…メインパーソナリティが、声にならない程驚いているぞ。」
「なんで、ソレ…っあるんスか!?今、無いって……」
「見つかったみた〜いv」
「…できれば見つからないで欲しかったッス。」
「ラジオを聴いてる皆の中にも、今「オオ〜」って思ったコがいるんじゃない? ヒッヒ、一昨年のハロウィンの時期に2,3週だけ使われた幻のジングルだヨ〜。折角だからもう一回流してヨ☆」
「え、ちょっとヤメ、」
「皆、録音の準備はイイかな〜?ではドウゾ♪」
「わーーー!」

〜幻のジングルがもう一度流れる〜

「…この遠吠えは…もしかしてお前のなのか?」
「…そうッス。」
「わざわざ森まで録りに行ったんだってネ?一人でレコーダー持って。」
「…そうッス。恥ずかしかったんですけど…あーもーいいじゃねッスか!過去のことですから!2年も前の話ですよ!じゃ、ここで1曲!!」
「すーごい汗かいてるケドダイジョブ?ヒヒヒ…」

〜『君を壊したい』〜 マイクオフ1分27秒

「フー……。」
「仕事中にため息か?」
「誰の所為だと思ってんスか!」
「ヒヒヒヒヒ!音響さんありがとネェ〜!!」
「ちょ、ヒデエっすよ!もうあれは絶対お蔵入りにするって言ってたじゃないですか!」
「まあまあ、そう吠えなくても〜。」
「…スマ、1ヶ月カレー抜き。」
「エエエエ〜!!!アッシュ君の馬鹿ぁ〜!!!」
「うっせ、マイクに向かって叫ばないで下さい、音割れる!」
「うわあああんヒドイようヒドイよう馬鹿馬鹿〜!」
「…………。」
「あと35秒以内にケリをつけろよ。」
「んなこと言ったって…!」
「もーボク知らないからネ!この程度の悪戯でカレー禁とか心狭すぎっ!!!人でなし!馬鹿!この後30分どうなっても知らないヨ〜だ!!」
「ぐ……っあーもーわかった!判りましたよ俺が悪かったですカレー禁発言は撤回します。」
「そうこなくっちゃ☆」
「…………その代わり今度の休みは部屋の掃除するッス。」
「ちょっと!」

〜マイクオン〜

「はい、お聴き頂いているのはアッシュセカンドシングルで『君を壊したい』。 リクエストくれたのはメルヘンランドのラジオネーム『恋してたコウモリ』ちゃん、ありがとうッス〜!」
「番組はまだまだ続くヨ〜!すていちゅーん!」


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